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柳田 剛*; 斎藤 祐児; 竹田 幸治; 藤森 淳*; 田中 秀和*; 川合 知二*
Physical Review B, 79(13), p.132405_1 - 132405_4, 2009/04
被引用回数:11 パーセンタイル:45.08(Materials Science, Multidisciplinary)最近の先端半導体デバイス開発において、半導体の双極性を作り出すことは重要な技術である。理論計算は4価の陽イオンによる電子ドープマンガン酸化物の存在を予言するが、直接的な実験事実が不足しているため、強磁性の起源は議論の余地が有る。今回、我々は軟X線磁気円二色性(XMCD)測定により、(La,Ce)MnO薄膜の強磁性を調べた。実験結果は、強磁性発現は、Mnの存在によるものでは無く、Mnの自己ドーピングによるものであることが分かった。
藤田 全基*; 松田 雅昌; 片野 進; 山田 和芳*
Physical Review Letters, 93(14), p.147003_1 - 147003_4, 2004/10
被引用回数:24 パーセンタイル:72.09(Physics, Multidisciplinary)電子ドープ超伝導体PrLaCeCuO(x=0.11 and 0.15)の静的なスピン相関に対する磁場効果を中性子散乱によって調べた。反強磁性と超伝導の相境界に位置するx=0.11ではゼロ磁場でT以下の温度において格子に整合した磁気秩序が観測される。磁場を印加するとこの磁気秩序は増強され磁気強度と磁気秩序温度が約5Tで最大になるが、その後は9Tまで徐々に減少することがわかった。一方、x=0.15ではゼロ磁場でも8.5Tの磁場下でも磁気秩序が誘起されない。これらは磁場で反強磁性が大きく増大した後に飽和するホールドープ系超伝導体の振舞いと対照的である。この結果は、反強磁性の磁場効果が系の磁気秩序形成の不均一性と関連があることを示唆していると考えられる。
藤田 全基*; 松田 雅昌; 片野 進; 山田 和芳*
Physica B; Condensed Matter, 345(1-4), p.19 - 22, 2004/03
被引用回数:1 パーセンタイル:7.1(Physics, Condensed Matter)電子ドープ系高温超伝導体の静的反強磁性相関の磁場依存性を中性子散乱によって調べた。試料は零磁場下では約25Kで超伝導を示し、わずかに反強磁性秩序を示す。5テスラまでの磁場中でこの反強磁性が大きく増大するが、5テスラを越えると磁場とともに徐々に減少する。得られた実験結果をこれまでの高温超伝導体における磁場効果と比較して議論する。磁場下での反強磁性の誘起は、銅酸化物超伝導体における共通のふるまいであることが明らかになった。
松田 雅昌; 片野 進; 上藤 哲嗣*; 藤田 全基*; 山田 和芳*
Physical Review B, 66(17), p.172509_1 - 172509_4, 2002/11
被引用回数:17 パーセンタイル:62.71(Materials Science, Multidisciplinary)ここ2,3年の間に、高温超伝導体における磁性と超伝導の相関を明らかにするために磁場中での中性子散乱実験が幾つか行われている。これまでに、ホールドープ型超伝導体LaSrCuOとその関連物質において実験が行われており、静的磁気秩序が磁場中安定化し、磁気散乱強度が増加することが報告されている。これは、磁束により超伝導が破壊されている領域を核として静的磁気秩序が発達すると考えられている。これは、磁束格子とスピン揺動の相互作用を意味する。一方、電子ドープ型超伝導体においては、大型で良質な単結晶が得られなかったために、未だ磁場効果の実験がなされていなかった。われわれは大型で良質なNdCeCuO単結晶を育成し、磁場中での中性子散乱実験を行った。しかし、磁場中で静的磁気秩序に対する効果は観測されなかった。バルクの超伝導が破壊される臨界磁場を越えても磁場効果が見られないという事実は、ホールドープ型と電子ドープ型で磁性と超伝導の相互作用が異なっていることを示唆している。これは、LaSrCuOにおけるスピン揺動の研究に対して重要な情報を与えるのみでなく、超伝導発現機構を解明するうえでも重要である。